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キノコ食中毒

1 キノコ食中毒の概要

(1)キノコ食中毒発生状況

令和元年から令和5年までに日本全国で、年間9〜28件のキノコ食中毒、年間27〜74人のキノコ食中毒患者が、発生しています。

(2)食中毒の原因キノコ

キノコ食中毒の原因をキノコ種類別にみると、ツキヨタケ49%、クサウラベニタケ※16%、テングタケ・イボテングタケ9%であり、この3種類の毒キノコで全体の約70%を占めています。
 ※イッポンシメジを含む

(3)キノコ食中毒発生時期

キノコは、秋に多く採れますので、この時期に採取して食べる人が多くなります。キノコ食中毒も、秋(9月、10月)に多く発生しており、全体の約8割がこの時期に集中しています。

(4)キノコ食中毒の原因となった場所

キノコ食中毒の約9割が家庭で発生しています。また、販売店、飲食店などで提供されたキノコによって発生した事例もみられます。

2 キノコの見分け方のウソ

野生キノコを見つけたとき、そのキノコが食べられるのか、毒キノコなのか興味が持たれます。キノコの見分け方として多くの迷信があります。これを信じて、もし、毒キノコを食べたら中毒を起こしてしまうことになります。


(1)柄が縦に裂けるものは食べられる……ウソ

多くのキノコの柄は縦に裂け、ほとんどの毒キノコの柄も縦に裂けます。

写真 ドクツルタケ 写真 ドクツルタケ 写真 ドクツルタケ
猛毒のドクツルタケの柄も簡単に縦にさけます。

(2)地味な色をしたキノコは食べられる……ウソ

毒キノコのほとんどは地味な色をしています。特に、キノコ食中毒の発生が多いクサウラベニタケ、ツキヨタケ、カキシメジなどは地味な色でいかにもおいしそうに見えます。タマゴタケのように色が鮮やかでも食べられるキノコもあり、色での判断はできません。

写真 クサウラベニタケ(毒) 写真 タマゴタケ(食)
クサウラベニタケ(有毒)
地味な色をしていますが毒キノコです。
タマゴタケ(食)
鮮やかですが、食べられます。

(3)虫が食べているキノコは食べられる……ウソ

毒キノコでも虫は食べます。

写真 ツキヨタケ(毒)についた虫 写真 ドクツルタケ(毒)の虫食い跡
ツキヨタケ(有毒)についた虫 ドクツルタケ(有毒)の虫食い跡

(4)ナスと一緒に料理すれば食べられる……ウソ

ナスと一緒に料理しても毒成分は減りません。


(5)干して乾燥すれば食べられる……ウソ

乾燥しても毒成分は分解されません。


(6)塩漬にし、水洗いすると食べられる……ウソ

ほとんどの毒キノコでは効果がありません。


(7)カサの裏がスポンジ状(イグチ類)のキノコは食べられる……ウソ

以前は、イグチ類のキノコには毒キノコは無いと信じられていましたが、現在では、ドクヤマドリなど毒キノコが見つかっています。


この他にも、色々な見分け方の迷信がありますが、あてになるものはありません。

3 毒キノコによる食中毒防止法

毒キノコで中毒を起こさないように次のことに注意しましょう。


毒キノコによる食中毒防止5か条
  1. 食用と判断できないキノコは絶対に「採らない」「食べない」「売らない」「人にあげない」
  2. キノコ採りでは、有毒キノコが混入しないように注意する。
  3. 「言い伝え」は、信じない。
  4. 図鑑の絵やインターネットの写真にあてはめて、勝手に鑑定しない。
    食用キノコと類似した毒キノコもあります。スマートフォンの画像検索機能を使って判断し、毒キノコ を間違って食べた食中毒が都内で実際に起きています。
  5. 食用のキノコでも、生の状態で食べたり、一度に大量に食べると食中毒になるものがあるので注意する。
    シイタケなど、食用として栽培されたキノコでも、生や加熱が不十分な状態で食べると、アレルギー症状や食中毒症状が起こることがあります。

もし、体調に異常を感じたら、すぐに病院を受診してください。
食べたキノコが残っている場合は、持参してください。治療の参考になります。


4 主な毒キノコの毒成分と症状

毒キノコの種類 毒成分 主な症状
症状が出るまでの時間
カキシメジ ウスタリン酸 頭痛、おう吐、腹痛、下痢など
(30分〜3時間程度)
クサウラベニタケ コリン、ムスカリン、ムスカリジン、溶血性タンパクなど 下痢、おう吐、腹痛など
(10分〜数時間程度)
ドクツルタケ アマトキシン類、ファロトキシン類など おう吐、腹痛、下痢
(6〜24時間程度)
(その後24〜72時間で)肝臓や腎臓の機能障害
ツキヨタケ イルジンS(ランプテロール)など おう吐、腹痛、下痢など
(30分〜1時間程度)
テングタケ イボテン酸、ムッシモール、ムスカリン類など 腹痛、おう吐、下痢、けいれんなど
(30分〜4時間程度)
ニガクリタケ ファシキュロール類など おう吐、下痢、けいれんなど
(3時間程度)
ベニテングタケ イボテン酸、ムッシモール、ムスカリンなど 腹痛、おう吐、下痢、けいれんなど
(30分〜1時間程度)

このページは東京都保健医療局 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報担当が管理しています。


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