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食品添加物
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食品添加物の使用基準と成分規格
用途別 主な食品添加物
食品添加物の表示方法
(一般用加工食品における食品添加物の表示方法)
食品添加物に関する監視指導

用途別 主な食品添加物

2 着色料

 食品には、本来様々な色あり、食欲を増進させたり、食生活を豊かにするといった効果があります。しかし、自然の状態の色は、長期にわたって維持することが大変難しいため、加工段階で人為的に色調を調整するために着色料が使われてきました。
 このうち、タール系色素は鮮明な色を出し、退色しにくいという優れた特徴を持った代表的な着色料です。
 一方、我が国では、伝統的な食習慣から色の派手なものよりも、より自然に近い色を好む傾向があります。また、紅花の赤色やクチナシの実の黄色、ヨモギの葉の緑色などを食品の着色に使用してきた経験もあって、天然の着色料も広く使用されています。
 ただし、鮮魚介類や食肉、野菜類に着色料を使用することは禁じられています。これら生鮮食品等に着色料を使用することは、その品質、鮮度等に関して消費者の判断を誤らせるおそれがあり、添加物本来の目的に反するからです。


☆アナトー色素(アナトー、カロチノイド、カロチノイド色素、カロテノイド、カロテノイド色素)

 ベニノキ科ベニノキの種子の被覆物から、油脂又は有機溶媒で抽出するか、あるいは加水分解して得られます。主成分はカロテノイド系の黄橙色の色素です。

 使用対象食品:ハム、ソーセージ、水産加工品、チーズ、マーガリンなど

カロテノイド:carotenoid
 動物ではエビやカニの殻、植物では花弁の有色体などに含まれ、細菌などからも見つかっている、脂溶性の酸化されやすく不安定な色素で、黄色、赤色、紫色を発色します。
 現在、天然カロテノイドは約300種類確認されています。カロテノイドの中には、β-カロテンのように動物の体内でビタミンAの合成原料になるものもあります。


☆ウコン色素(クルクミン、ターメリック色素)

 ショウガ科ウコンの根茎よりエタノール、、油脂又は有機溶媒で抽出して得られます。主成分はクルクミンという鮮やかな黄色の色素です。カレー粉の色はこの色素によるものです。

 使用対象食品:食肉加工品、農水産物加工品、栗の砂糖漬けなど

☆カラメルI、カラメルII、カラメルIII、カラメルIV(カラメル、カラメル色素)

 ブドウ糖や砂糖などの糖類やデンプンの加水分解物、糖蜜などを加熱処理して得られます。製法の違いで4種類に分けられますが、いずれも同じような褐色を示します。また、カラメルには着色の他に風味付け効果もあり、古くからしょう油やソースなどに使用されています。また、ウイスキーの品質調整など、製造用剤として使用されることもあります。

 使用対象食品:清涼飲料水、乳飲料、菓子、しょう油、漬物、つくだ煮など

☆イモカロテン、ディナリエラカロテン、ニンジンカロテンなど(抽出カロチン、カロチン色素、カロチノイド色素)

 サツマイモ、ディナリエラ藻、ニンジン、トマトなどから抽出される色素で、主成分はカロテンです。黄色〜橙色〜赤褐色を呈します。カロテンは、体内でビタミンAに変わるプロビタミンなので、栄養強化の目的で使用されることもあります。なお、β-カロテンは現在化学的合成によって工業的に生産されています。

 使用対象食品:バター、マーガリンなどの油脂製品や混濁系果汁飲料の着色に使われる他、めん類、菓子類、健康 食品などに使用されます。

☆クチナシ青色素、クチナシ赤色素、クチナシ黄色素(クチナシ、クチナシ色素)

 アカネ科クシナシの果実を水やアルコールで抽出したり、加水分解して得られるものが、クロシンやケルセチンというカロチノイド系の物質を主成分とするクチナシ黄色素です。昔から家庭できんとんの着色に使われてきました。また、果実の抽出液に酵素を作用させて得られる色素が、クチナシ青色素やクチナシ赤色素です。

 使用対象食品:菓子、冷菓、めん類、農産物加工品など

☆コチニール色素(カルミン酸色素、カルミン酸、コチニール)

 スペイン南部や中南米のサボテンに寄生するエンジムシというカイガラムシ科の昆虫の乾燥体から水やアルコールで抽出して得られます。主成分はカルミン酸という物質で、色調は橙〜赤紫色を示します。イタリアのリキュール「カンパリ」の着色に古くから用いられてきました。

 使用対象食品:清涼飲料水、酒精飲料、冷菓、菓子、食肉製品、かまぼこなど

☆食用タール系色素

 食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号及び食用青色2号の12種類が指定されています。使用基準が定められ、カステラ、きなこ(うぐいす粉を除く)、魚肉漬物、鯨肉漬物、こんぶ類、しょう油、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類(鯨肉を含む)、茶、のり類、マーマレード、豆類、みそ、めん類(ワンタンを含む)野菜及びわかめ類に使用してはならないことになっています。

 使用対象食品:菓子、漬物、魚介加工品、畜産加工品など

☆銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム

 クロロフィルは植物体内にある葉緑素のことです。この分子中のマグネシウムを銅に置き換えて作られたものが銅クロロフィルです。青〜緑色を呈します。

 使用対象食品:使用基準があり、昆布、野菜類や果実類の貯蔵品、チューインガム、魚肉ねり製品、生菓子、チョコレート及びみつ豆缶詰中の寒天。銅クロロフィリンナトリウムについては、あめ類にも使用できます。

☆ベニコウジ色素、(モナスカス色素、紅麹、モナスカス)

 カビの一種であるベニコウジ菌の培養物を乾燥・粉砕した後、アルコールや有機溶媒で抽出すると、赤色の色素が得られます。主成分は、モナスコルブリンやアンカワラビンなどで、抽出に酸性アルコールを用いると黄色の色素が得られます。紅麹は、酒造りにも使われ、中国の老酒や沖縄の泡盛の色は、この色素によるものです。

 使用対象食品:魚肉ねり製品、味付たこ、畜産加工品、調味料など

☆ベニバナ赤色素(カーサマス赤色素)、ベニバナ黄色素(カーサマス黄色素)(フラボノイド色素、紅花色素)

 キク科ベニバナの花から水で抽出すると、サフロミン(カーサマスイエロー)というフラボノイド系の物質を主成分とする黄色素が得られます。これから、黄色素を除去した後、弱アルカリで抽出すると、同じくフラボノイド系のカルタミンという物質を主成分とする赤色素が得られます。紅花は、日本では昔から化粧品や高級和菓子に使われてきました。

 使用対象食品:清涼飲料水、菓子、めん類、漬物など

フラボノイド:flavonoid
 ベンゼン環2個が炭素3個で結ばれ、かつ、中央のC3が酸素を含むヘテロ環をつくった構造を持っている一群の植物色素の総称。フラボン類、イソフラボン類、フラボノール類、フラバノン類、アントシアン類、カテキン類(フラバノール類)に分類され、約400種が確認されています。



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