膨脹剤は、ふくらし粉とかベーキングパウダーとも呼ばれるもので、炭酸ガスやアンモニアガスを発生させて、蒸し菓子や焼き菓子をふっくらと膨脹させるために使用されるものです。
☆炭酸水素ナトリウム(重曹、炭酸水素Na、重炭酸Na)
「重曹」の名前で、昔から家庭でも使われてきました。工業的にはアンモニア・ソーダ法による炭酸ナトリウム製造の中間体として得られます。膨脹剤としては、単独又は酸剤などと配合して使用されます。
膨脹剤の他に、かんすいやpH調整剤の用途にも使用されます。
使用対象食品:焼き菓子、ホットケーキ、まんじゅうなど
☆グルコノデルタラクトン(グルコノラクトン)
他の酸に比べ、低温で反応することが少なく均一な発泡をするので、ビスケット、ドーナッツ、パンなどの膨脹剤の酸成分として、炭酸水素ナトリウムなどと併用して使用されます。
また、豆腐の凝固剤、氷菓等の酸味料、乳製品のキレート剤としても使用されています。
使用対象食品:焼き菓子、豆腐(凝固剤として)、氷菓・ゼリー(酸味料として)
キレート剤
金属イオン(塩類を含む。)をその構造の中に固定化し、イオンを不活性化する能力を持つ化合物の総称で、金属封鎖剤の1つです。 |
☆硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)
ボーキサイトに硫酸を加えて硫酸アルミニウムを作り、これに硫酸カリウムを加えてミョウバンを結晶させたものを、約200℃に加熱して結晶水を揮散したものです。膨脹剤の酸成分として、炭酸水素ナトリウムなどと併用されます。炭酸水素ナトリウムとの反応が緩やかでガスの発生が持続する特徴がありますが、収れん作用による渋みがあります。
使用対象食品:ビスケット、スポンジケーキ、クッキーなどの焼き菓子。みそには使用してはなりません。
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