食べもの暦 令和2年12月号 そば/マリントキシン
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そば
世の中が大きく変化した今年も、年末の足音が聞こえてきました。今回は大みそかの代名詞ともいえる「そば」について取り上げます。
どんな植物?
タデ科ソバ属の一年草で、初夏から秋ごろにかけて白やピンクの花を咲かせます。
そばの花には、めしべがおしべより短い「
この2種類の花は、実をつけるためにお互いの花粉が必要で、ハチやアリなどの昆虫に花粉を運んでもらう方法で受粉します。
はじめは麺じゃなかった!
日本では縄文時代から食ベられているそばですが、当初は麺状ではなく、そば粉を練った「そばがき」や「そばもち」として食べられていました。しかし江戸時代中期、麺状にした「そば切り」が発明され大流行したことで、そばといえば麺状であることがポピュラーになりました。
ちなみに、世界ではロシア・東欧のカーシャ(そばがゆ)、フランスのガレット(クレープのようなもの)など様々な食べ方で親しまれています。
「三たて」?「水そば」? 知っていますか?
「三たて」とは、おいしいそばの条件で、「ひきたて」「打ちたて」「茹でたて」のことです。独特の風味と食感が命のそばは、そば粉も打ったそばも風味の劣化が早く、新鮮さが求められます。このため、「三たて」が重視されています。
「水そば」とは、つゆではなくその土地の水につけて、そばそのものの風味などを楽しむ食べ方です。全国各地の飲食店でも、メニューとして提供されています。
※そばはアレルゲンとして、容器包装に入れられた食品には表示が義務づけられていますが、飲食店やテイクアウトの食事では表示義務がないため、十分に確認してから食べましょう。
食べものクイズ
令和元年、そば(乾燥子実)の収穫量が一番多かった都道府県は、以下の1から3のうち、どこでしょう?(答えはこのページの一番下にあります。)
- 長野県
- 北海道
- 岩手県
マリントキシン
「マリントキシン」という言葉をご存じですか?魚や貝には、人に有害な毒をもっているものがあります。海洋生物が持つ毒を総称してマリントキシンといいます。
魚の毒
- ふぐの毒
ふぐに毒があることは、よく知られています。主に、卵巣や肝臓などの内臓に「テトロドトキシン」という猛毒が含まれ、麻痺による呼吸困難を引き起こします。家庭で素人がふぐを調理し、有毒部位を除去できないまま食べたことで、死亡事例も発生しています。
ふぐを食べる場合は、専門知識をもった「ふぐ調理師」等が調理したものを食べましょう。
- シガテラ毒
熱帯や亜熱帯のサンゴ礁の周りに生息している魚のなかには、「シガテラ毒」を持っているものがいます。代表的な魚はオニカマス、バラハタ等です。主な症状は、ドライアイスセンセーション(温度感覚異常)、筋肉痛、関節痛、しびれなどです。
これらの魚は、食用が禁止されていたり、禁止されていない魚でも、各自治体が中毒事例のあるものを中心に食用としないよう指導しています。
二枚貝の毒
ムラサキイガイやホタテガイなどの二枚貝が、下痢を起こす毒(下痢性貝毒)、手足等に麻痺を起こす毒(麻痺性貝毒)などを持っていることがあります。
これらの毒をもつ二枚貝を市場に出回らせないため、生産海域では定期的に貝毒検査をしています。もし規制値を超えた場合は、出荷が自主規制されます。
巻貝の毒
ツブガイ(ヒメエゾボラ、エゾボラモドキ等)といわれる巻貝の唾液腺には、「テトラミン」という毒が含まれていることがあります。食べると、めまい、手足のしびれ等の症状が出ます。
購入時にお店で除去してもらうか、調理前に必ず、取り除きましょう。
クイズの答え
- 北海道
令和元年、北海道におけるそば(乾燥子実)の収穫量は19,400トンで、国内全体の47パーセントでした。次いで長野県の2,910トンでした。
ちなみに、北海道内においては、
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お問い合わせ
このページの担当は 多摩府中保健所 生活環境安全課 食品衛生第一担当 です。