トップページ > 違反・苦情 > こうして起こった違反 >表示にない酸化防止剤を検出した冷凍ライチピューレ
5月、卸売業者の倉庫に立ち入り「ライチピューレ(フランス産)」を収去し検査を実施したところ、当該品から表示にない酸化防止剤(エリソルビン酸)が0.03g/kg検出されました。
輸入者が調査したところ、フランスの製造者の原材料配合表にエリソルビン酸の記載はなく、添加事実もありませんでした。そこで製造者を通じて台湾及び中国の原料ピューレ製造者に使用実態について確認しました。その結果、中国では使用実態がありませんでしたが、台湾の製造者がエリソルビン酸を原料ピューレ全重量あたり最大0.03%使用していたことが判明しました。
輸入者は当該ロット品のほか、製造日が異なる販売中のロット及び倉庫に保管中のロットについて自主検査を行ったところ、同一ロット品と保管中の製品の2検体からエリソルビン酸が検出されました。この2つの製造ロットの原料配合比率を調査したところ、いずれも台湾産の原料ピューレが多く配合されていたことが判明しました。これらのことから、本件は、エリソルビン酸を使用したピューレを、その事実を把握せずにフランスの製造者が使用したことが原因で発生したと推測されました。
この事例は、台湾の原材料ピューレにエリソルビン酸を使用していることが規格書等に記載されておらず、輸入者も製造者もこの事実を把握していませんでした。
食品を輸入する場合は原材料の検査を定期的に行うなどして、規格書の記載と相違がないか確認することも必要です。