トップページ > 食中毒 > こうしておこった食中毒【事業者編】 >前日調理のカレーによるウエルシュ菌食中毒
6月上旬、市内の大学から「大学内の学生食堂でカレーを食べた学生の多くが食中毒症状を呈している」旨の届出が保健所にありました。
保健所が大学を調査したところ、学生食堂でカレーを食べた113名のうち98名が、食べた日の午後から翌日の昼にかけて腹痛や下痢、発熱等の症状を呈していました。
カレーの残品は既になく、検査はできませんでしたが、多数の患者ふん便からウエルシュ菌が検出されたこと、患者らの共通食が学生食堂のカレーしかなかったことから、これを原因とする食中毒と断定しました。
この施設では、前日の午前中に2日分のカレーを調理していました。調理したカレーの半分は湯せんしながら当日に販売し、残りの半分はそのまま室温で放置していました。その後、この放置したカレーと湯せんしながら販売したカレーの残りを夕方にまぜて、冷蔵して一晩保管していました。翌日の朝、カレーを再び加熱しましたが、十分ではなく、その後、再び昼食用に湯せんで温めて提供されました。
これらのことから、カレーに付着したウエルシュ菌は湯せんなどの増殖に適した温度に長い時間置かれていたため、ウエルシュ菌が増殖し事故に至ったと考えられました。
ウエルシュ菌による食中毒の予防のポイントは、次のとおりです。