トップページ > 食中毒 > こうしておこった食中毒【事業者編】 >焼肉店で発生した腸管出血性大腸菌O157食中毒
7月中旬、市内の医療機関から腸管出血性大腸菌O157の患者を1名診察した旨の報告がありました。その2日後、別の医療機関からも腸管出血性大腸菌O157の患者を1名診察したとの報告がありました。
保健所が2名の患者の調査を行ったところ、患者はいずれも同じ日に市内の焼肉店で焼肉等を喫食していることが判明しました。そこで、保健所が焼肉店を調査し、拭き取り、参考食品の検査及び従業員の検便を実施したところ、従業員のふん便1検体から腸管出血性大腸菌O157が検出されました。さらに、患者2名と従業員1名のふん便から検出された腸管出血性大腸菌O157の遺伝子パターンが一致しました。患者の共通食は当該焼肉店のみであったこと、焼肉店を利用していない患者の家族から類似の発症者が確認されなかったことから、保健所は当該焼肉店が提供した食事を原因とする食中毒と断定しました。
患者はいずれも料理を単品で注文しており、共通して喫食していた料理はタン塩、サラダ、ライスでした。保健所が参考品として検査した牛タンから、O157ではない腸管出血性大腸菌が検出されており、原料肉が仕入れた段階ですでに汚染されていた可能性が考えられました。また、焼肉店では客自身が肉を焼いて喫食するため、加熱不足や使用した箸からの汚染が考えられました。
一方、サラダの調製を担当していた従業員のふん便からO157が検出されました。サラダは野菜とタレを素手で混ぜ合わせていたことから、この従業員の手指を介して、サラダが汚染された可能性も考えられました。
腸管出血性大腸菌の食中毒を予防するためには以下の点が重要です。
また、焼き肉店の場合、肉を焼くときは専用の箸やトングを用意して、お客が食べるための箸で生肉に触れないよう注意することが必要です。