トップページ > 食中毒 > こうしておこった食中毒【家庭編】 >ふぐの素人調理による食中毒
12月中旬のある日、商店主Aさんは、船宿から乗り合い船で釣りに出かけ、ショウサイフグ7匹を釣り、同日午後8時ごろ帰宅した。翌日午後2時ごろ、Aさんは、このショウサイフグの身をおろし、知人のBさんとCさんに肉・皮・肝臓などをおすそ分けしました。
Aさん、Bさん、Cさんの3名は、それを夕方、それぞれ家でちりなべや味噌仕立てにして家族と共に食べました。このうちBさんが、食後1時間で発病し、口唇の麻ひや頭痛、嘔吐などの症状があるため、病院に運ばれましたが食後約4時間で亡くなりました。また、Aさんがその翌日の朝6時30分ごろ亡くなっているのが発見されました。
東京都監察医務院で両名の遺体を検案の結果、フグによる食中毒であることが判明しました。また、患者宅のフグの残品を検査したところ、ショウサイフグであることが確認され、この肝臓から強毒のフグ毒が検出されました。
ショウサイフグの肝臓や皮にはテトロドトキシンという猛毒が含まれており、これを食べたために発病しました。この事件では肝臓を食べた人が5名いましたが、このうち2名が亡くなり、残り3名は発病しませんでした。非発症者と死亡した人の差はフグ毒の個体差に由来するものと考えられ、亡くなった2名はたまたま強毒の肝臓を食べたものと考えられました。
食中毒による死亡者の第1位は、フグによるものです。発生原因として、家庭での素人料理が多いことから、素人料理は絶対にしないでください。