トップページ > 食中毒 > こうしておこった食中毒【家庭編】 >きのこ狩りによる食中毒
9月の下旬、会社員3名が神奈川県内の山林できのこ狩りを行いました。Aさんは2種のキノコを持ち帰り、同日午後6時30分ごろ自宅でナスと炒めて家族と食べました。きのこを食べたAさんとその家族2名は食べた数分から1時間のうちに全員がはき気、おう吐の症状を示し、医師から食中毒と診断がされました。
通報を受けた保健所でAさん宅に残っていたキノコを鑑定したところ、毒キノコのクサウラベニタケであることが判明しました。
Aさんは、キノコについては全くの素人で、同行のBさんに種類を見分けてもらっていました。Bさんによると同日一行が採取したキノコはカラカサタケ、フウセンタケ、クサウラベニタケ、ウラベニホテイシメジ、サクラシメジなどで、Aさんが持ち帰ったものは後者の2種類であったということでした。Aさんは「持ち帰ったキノコの中に形の異なるものが入っていた。少し変だなと思ったが食べてしまった」と語りました。食用のウラベニホテイシメジと毒キノコのクサウラベニタケが誤認されたことが原因と考えられました。
クサウラベニタケは別名「名人泣かせ」とも言われる毒キノコで、食用のホンシメジやウラベニホテイシメジと良く似ているため、毎年誤食による食中毒が後を絶ちません。この事例でも、キノコについてかなり熟知した人が見誤っています。また毒キノコについては「ナスと一緒に煮ると毒が消える」とか「油で炒めると毒が消える」などといった迷信・俗説が多数ありますが、あてにはなりませんので注意してください。