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禁煙したい方へ

たばこに含まれる「ニコチン」には依存性があり、禁煙したいと思ってもなかなか成功しない原因の一つとなっています。

ニコチンガム、ニコチンパッチ、飲み薬等の禁煙補助薬を使うと禁煙しやすくなります。一定の基準を満たした医療機関での治療には保険が適用され、2020年度からは加熱式たばこの禁煙治療も対象となっています。また、薬局・薬店で買える薬もあります。

医師や専門家に相談しながら、禁煙にチャレンジしてみませんか。

たばこの影響で亡くなる人は年間19万人も

日本人の予防できる最大の死亡原因は「喫煙」だと言われています。

喫煙は、脳卒中や心臓病をはじめ、がんや循環器疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を含む呼吸器疾患、糖尿病、歯周病など、さまざまな生活習慣病のリスクになる等、多くの病気と関係しており、日本では年間約19万人が、喫煙が原因で亡くなっているという報告があるほどです。

また、たばこの煙には7,000種類以上の化学物質が含まれており、周りの人の健康にも悪影響を及ぼします。受動喫煙によって、虚血性心疾患や肺がんのリスクが高まることが分かっており、年間約1万5千人が受動喫煙が原因で亡くなっていると推計されています。

 昨今、加熱式たばこは喫煙者本人及び周囲への健康影響や臭いなどが紙巻きたばこより少ないという期待から、使い始める方が多くいます。しかし、加熱式たばこは、販売からの年月が浅く、長期使用による健康影響は研究中であるものの、たばこ煙にさらされることについては安全なレベルというものがなく、喫煙者と受動喫煙者の健康に悪影響を及ぼす可能性が否定できないと考えられています。

ご自分と周りの人々の健康を守るため、喫煙している人は、できるだけ早く「禁煙」に取り組みましょう


自力で禁煙するより禁煙補助薬や禁煙治療が効果的

たばこに含まれるニコチンには依存性があるため、「禁煙したいと思ってもなかなかやめられない」ニコチン依存症という脳の病気にかかっているかもしれません。

薬局等でニコチンガム・ニコチンパッチ等の禁煙補助薬を買って使うと、ニコチン切れの症状(離脱症状)をおさえることができるので、自力で禁煙するより3~4倍禁煙に成功しやすくなると言われています。また、禁煙相談・支援を行っている薬局もあります。

ニコチン依存症であることなどの条件を満たす方は、一定の基準を満たした医療機関で禁煙治療を受けると、健康保険が適用されます。近年、治療方法が進化し、禁煙治療を終了した人の約7割の人が禁煙に成功しているとされています(※5回の禁煙治療終了者のうち、治療終了時に4週間以上の禁煙に成功した者の割合)。

たばこを吸っている人は、医師や専門家に相談しながら、禁煙にチャレンジしてみませんか。

東京都でニコチン依存症治療に保険が適用される医療機関一覧と健康保険適用条件はこちらです。

■タイプ別の禁煙方法

禁煙方法 おすすめのタイプ
薬局等でニコチンパッチやニコチンガムを使ってやめる
  • ニコチン依存度が低い~中程度の人
  • 禁煙する自信が比較的ある人
  • 忙しくて医療機関を受診できない人
  • 健康保険適用の条件を満たさない人
医療機関で禁煙治療を受ける
  • ニコチン依存度が中程度~高い人
  • 禁煙する自信がない人
  • 過去に禁煙して離脱症状(禁断症状)が強かった人
  • 精神疾患など、禁煙がむずかしい特性がある人
  • 薬剤の選択など、禁煙にあたって医師の判断が必要な人

参考:厚生労働省健康局健康課編『禁煙支援マニュアル(第二版)増補改訂版』(平成30年5月)

禁煙をスムーズにさせるためのコツ

「禁煙しよう!」と思ったら、すぐに準備を始めましょう。ここでは、禁煙をスムーズに進めるためのコツを紹介します。

禁煙開始日を設定しましょう!

まずは、禁煙を開始する日を決めましょう。誕生日、記念日や1のつく日など覚えやすい日がよいでしょう。

吸いたい気持ちのコントロール方法を練習しましょう!

禁煙開始後2~3日をピークに禁煙の離脱症状(禁断症状)が現れ、この症状は、個人差がありますが、緩やかに10~14日間続くと言われています。

■おもな離脱症状
  • 「たばこを吸いたくてたまらない!」という気持ち
  • イライラして落ち着かない
  • 元気が出ない
  • 集中できない
  • 頭痛
  • からだがだるい
  • 食欲が増す

禁煙を始めると、1日に数回「たばこを吸いたくてたまらない!」という気持ちになる場合があります。この気持ちはずっと続くわけではなく、長くても3~5分程度です。

禁煙を始める前に、「自分はどんなときにたばこを吸いたくなるか」「吸いたくなる場面で、たばこの代わりになることは何か」を考えて表にしてみましょう。そして、禁煙を始める前に実際に練習してみましょう。

■たばこを吸いたくなる場面と代わりの行動例

たばこを吸いたくなる場面 代わりになる行動例
朝起きてすぐ すぐに顔を洗う
食事のあと 歯を磨く
コーヒーと一緒に コーヒーを紅茶などに代えてみる
出勤中の車の中 大きな声で歌う
仕事の休憩時間 職場の人に禁煙宣言をする
帰宅時の車の中 何回か深呼吸をする
アルコールと一緒に 冷水を置いておき、吸いたいときに飲む

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「禁煙の準備-禁煙7日前から行う、禁煙のコツを教えます!《準備編》」

禁煙宣言をしましょう!

禁煙を始めるときは、職場の人などに「たばこをやめます!」と宣言しましょう。

■禁煙宣言のメリット
  • 周囲の人が理解してくれて、喫煙室に誘われなくなり、「つい一服」を防げます。
  • 周囲の人に応援してもらうことで、「吸いたい気持ち」に勝つことができます。
「吸いたい気持ち」を少しガマンしましょう!

長年の生活習慣の中で、定期的に喫煙するクセがついているため、気分転換などのタイミングでたばこを吸いたくなってしまうこともあると思います。「代わりになる行動」を実践して、少しガマンしてみましょう。

離脱症状(禁断症状)が出てしまったら、次のような方法を試してみましょう。

■離脱症状別対応法の例

離脱症状 対応法例
「たばこを吸いたくてたまらない!」という気持ち
  • 「代わりになる行動」をして、吸いたい気持ちが起こらないようにする。
  • たばこやライターなどを処分する。
イライラして落ち着かない
  • 深呼吸する。
  • 冷たい水やお茶を飲む。
集中できない
  • ストレッチや深呼吸をする。
頭痛
  • 深呼吸する。
  • 足を高くしてあおむけに寝る。
からだがだるい
  • 睡眠を十分にとる。
食欲が増す
  • 糖分の少ないガムを噛む。
  • ストレッチなどの軽い運動をする。

参考:厚生労働省健康課編『禁煙支援マニュアル(第二版)増補改訂版』平成30年5月公益財団法人健康・体力づくり事業財団「たばこ禁煙プログラム」

禁煙で改善されるいろいろな「もったいない」

禁煙すると、次のような「もったいない」が改善されます。

■生活編
①時間をうばわれる
1本につき5分間吸っている場合、1日20本吸うと1日で1時間40分に。
②老けて見える
皮膚が黒ずんだりコラーゲンがこわれて、シワが増える。
③たばこ代がかかる
1箱570円として、1日1箱吸うと1月で約17,000円、1年で20万円以上。
④医療費がかかる
たばこは万病の元で、免疫力が低下して重症化しやすいため、医療費がかかる。
⑤家族も道連れになる
受動喫煙で家族も病気にかかりやすくなる。
■仕事編
⑥仕事をさぼっているように見られる
職場内禁煙のため離席することになり、さぼっているように見られる。
⑦周りの人に嫌がられる
吸わない人は煙や臭いに敏感なので、気づかないうちに嫌がられる。
?病気で休みがちになる
たばこを吸う人は、吸わない人の2倍会社を休みやすい。
⑨ストレスがさらに増える
ニコチンを補給して一時的にイライラを抑えるだけなので、ストレスが増える。
⑩火事の原因にもなる
放火に次いで火事の原因の第2位。火の不始末で命を落とすことも。

参考:厚生労働省健康局健康課編『禁煙支援マニュアル(第二版)増補改訂版』(平成30年5月)



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このページの担当は保健政策部 健康推進課 事業調整担当です。

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