20代女子のステキな未来を目指す特別講座 開催レポート 20代女子のステキな未来を目指す特別講座 開催レポート

プログラム1 子宮頸がんってどんな病気?ハタチから受診できる子宮頸がん検診について プログラム1 子宮頸がんってどんな病気?ハタチから受診できる子宮頸がん検診について

こころとからだの元氣プラザ 診療部長/
東京慈恵会医科大学 産婦人科 准教授
小田瑞惠先生

小田瑞惠先生 小田瑞惠先生
講演 講演

特別講座は小田瑞惠先生の子宮頸がんに関する講演からスタート。

子宮頸がんに最もなりやすい年代は30~40代で、大学生とも年齢の近い20~30代での死亡率が上昇している、若い女性に多いがんです。

子宮頸がんの95%以上はHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因とされています。HPVは100種類以上の型がありますが、子宮頸がんの原因となる発がん性のものは約15種類。性交渉の経験者であれば、男女ともに8割以上が一生に一度はHPVに感染すると言われており、多くの場合は一過性の感染で終わります。しかし、一部の人は感染が持続してがんの前段階(前がん病変)になり、さらに感染が持続したり他の影響が加わったりすると子宮頸がんになってしまいます。前がん病変や子宮頸がんになる場合も、数年から10年くらいかかるといわれているため、前がん病変やごく初期の子宮頸がんの段階で早期に発見すれば、早期に治療して命を守り、子宮を残すことができます

しかし、子宮頸がんの初期症状は無症状で自覚できないため、検診を受けることでしか発見できません。子宮頸がんの検診は住民検診、職場検診、自費検診の3種類がありますが、住民検診は20歳以上の女性であれば、2年に1回、無料~1,000円前後で受けられます。一回検査を受けて「異常なし」と言われても、2年後に次の定期検査を受けることが大切です。

若い世代の女性は今後結婚や出産を考えている人も少なくありません。命を守るのはもちろんのこと、子宮を失わないためにも子宮頸がん検診を受けることが大切なので、みなさん是非検診を受けてくださいね。

Q&A Q&A

小田先生に子宮頸がん検診や医療機関の受診に関する質問に答えていただきました。

Q Q

子宮頸がん検診ってどうやって受けるの?

司会者:東京都内では、20歳以上の女性であれば、どの区市町村でも子宮頸がん検診を受けることができるので、お住まいの区市町村のホームページをご覧いただきたいと思います。区市町村以外でも、検診を受けられるということですが、費用も違いますし、何を重視して受ける場所を決めたらいいでしょうか?

小田先生:検診自体、実は8,000円ぐらい掛かっていますが、自治体でやっている検診は、その分を税金で払ってくれているんです。特に20歳の方はほとんどの自治体で無料で検診を受けられますので、ぜひ受けてください。

区市町村の検診でいえば、どの医療機関で受けられるかは大体ホームページに載っています。まずは行きやすいところ。最初に婦人科に行くときは、女性の先生の方が受けやすいかもしれませんね。あと、検診のついでに生理のことやおりもののことなど気になることを相談できるので、結果を聞きにいったときに別の検査もするなど、うまく利用してもらえるといいと思います。

Q Q

すぐに医療機関に行ったほうがいいのは、どんなとき?

司会者:不正出血があった場合に医療機関を受診するかどうかなど、婦人科を受診する判断がなかなか難しいと思いますが、いかがでしょうか?

小田先生:医学的に言うと、月経以外の出血は、すべて不正出血なんです。ただし、排卵日のときに、おりものに混じる程度に少量付く排卵日出血はほとんど問題ありませんが、皆さんは排卵日出血かどうか分からないことが多いと思います。分からなかったら病院に行って検査をして、悪い病気じゃないということを確認するのが大事ですね!

Q Q

子宮頸がんを予防することはできるの?

司会者:子宮頸がんには予防のワクチンがあると思うのですが、ワクチン接種で子宮頸がんを予防することはできるのでしょうか?

小田先生:子宮頸がんの原因となるHPVの感染を予防するワクチンがあります。6年前ぐらい前までは、日本でも積極的にワクチンを打ったほうがいいと言われていたのですが、ワクチンを接種した後に、色々な症状が出る方がいらっしゃったので、その原因を現在調べているところです。その調査結果が出るまでは、ワクチンの推奨を一時的に控えている状況です。

海外では10年以上前から、このワクチンを積極的に接種し、その結果前がん病変になる方がすごく減ってきています。日本で報道されたワクチン接種後の「多様な症状の増加」は海外では認められず、ワクチンの安全性や有効性についてデータが出揃ってきています。現在、婦人科の医師の団体である日本産科婦人科学会が、厚生労働省に「ワクチンの安全性が証明されてきたから、日本でもまた積極的にワクチンを接種するように推奨してはどうか」と要望書を上げている段階です。

日本で使われているワクチンは、発がん性のHPVのうち、一番多い、二つのタイプのHPVの感染を予防するワクチンなんです。ワクチンを打っているとしても、他のタイプのHPVの予防はできないので、検診は受けてくださいね!現在の状況では、ワクチンの積極的な推奨はできないので、検診を受けるということが一番だと思います。

Q Q

生理痛やおりものの量が多いとき、病気の可能性はあるの?

司会者:生理やおりものの悩みのある女性は多いと思いますが、生理痛がひどく、市販薬を飲んでいる場合、何か病気の可能性はあるんでしょうか?

小田先生:一般的には、痛み止めをタイミングよく飲んでも効かなければ、月経痛が強いと言えます。痛み止めはギリギリまで我慢してから飲む方が多いのですが、痛み止めは痛みが起こる物質ができるのを抑える作用があるので、痛くなり出したら早めに飲むことで、痛み物質が作られなくなります。

若い方は病気ではなくて、単に生理が重いという人が多いのですが、時々、子宮内膜症や子宮筋腫など、生理痛が強くなる病気が見つかる方もいらっしゃいます。痛み止めをタイミング良く飲んでも痛みが取れないときには、婦人科できちんと検査をするといいですね。

司会者:おりものの量、色、においなどはいかがですか。

小田先生:10代の後半から20代の前半で女性ホルモンの分泌がとても安定してくるとおりものが増えますし、排卵日の時期もおりものが増えます。そうした月経周期の中のおりものの変化は、あまり心配ないです。ただ、パートナーとの交渉があった後に痛いとか、変なおりものが出ているというときには、婦人科を受診してみてくださいね。

プログラム2 子宮頸がんを乗り越えて、今伝えたいこと プログラム2 子宮頸がんを乗り越えて、今伝えたいこと

女性特有のがんの体験者のサポートを行っている認定NPO法人オレンジティの河村裕美理事長と
小磯朋子さんから子宮頸がんの体験談を語っていただきました。

河村裕美理事長 河村裕美理事長

認定NPO法人オレンジティ
河村裕美理事長

小磯朋子さん 小磯朋子さん

小磯朋子さん

司会者:河村理事長は32歳のときに子宮頸がんと診断されたと伺っていますが、診断を受けたときの心境や周りの環境、どうしてオレンジティを立ち上げるに至ったかなど伺えますでしょうか?

河村理事長:私は32歳で結婚しました。入籍した日に夫と色々な話をする中で、「ちょっと生理が重いんだ」と言うと、病院に行くことを勧められて、次の日に婦人科に行ってみたら、その場で子宮頸がんと診断されました。

夫と一緒に子どもを育てる未来を信じていたので、お医者さんに「子どもが生まれてから子宮を取ることはできないんですか?」と聞いたところ、「半年から1年ぐらいで末期になると思うので、それはとても現実的ではありません」と言われたんです…。子どもを持つ可能性を残すために卵子凍結なども考えましたが、最終的には手術で子宮も卵巣も切除して、出産は諦めることになりました。

司会者:生理がちょっと重いということで病院に行って、子宮頸がんと告げられるというのは、びっくりしてしまいますね…。

谷さん:怖いですね…。しかも、半年後には末期になるかもしれないなんて。

河村理事長:私は何も分からないまま子宮頸がんになってしまったので、同じ病気の人たちはどうやって生きているのかと思って、地域の中でお互いに支え合えるようにオレンジティという会をつくりました。患者さんたちを支援する活動を始めて、18年目を迎えています。

皆さんが私の話を聞いて、検診に行こうとか、自分の体のことをもう一度考えようと思ってくれるのであれば、肉体的な母にはなれませんでしたが、社会的な母親にはなれるんじゃないか、未来に命を残す道筋にはなれるんじゃないかと思ってお話をしています。ぜひ私を皆さんの社会的なお母さんにしてくださいね!

司会者:小磯さんは24歳という大変若いときに子宮頸がんの診断を受け、再発も経験していらっしゃるので、そのお話を伺えますか?

小磯さん:診断を受けてから手術まで1ヵ月もなかったので、家族や恋人と相談したり、職場で仕事の相談をしたり、検査や入院など色々なことがあって、その時は子どもが産めない体になる実感がなかったんです。でも、手術を終えた日の夜に、子宮と卵巣を失ったことで、女性として幸せな人生を歩めないと感じて、病室で涙をポロポロこぼしました。

そして3年後の27歳のときにがんが再発したという診断を受けました。仕事も辞めてしまい、年齢的に周りは結婚をして、順調に子どもをもうける方も多い中で、自分だけが取り残されてしまうという孤独に襲われて、頑張って生きようという思いが、生きていたくないという気持ちに変化してしまいました。

そんなときにオレンジティを知って、生きていたくないというつらい気持ちを初めて人に話せたことで、気持ちがちょっと軽くなったことを覚えています。

私は子宮頸がんにかかった24歳のときには、検診を受けるということも知らなかったです。皆さんには私のような経験をしてほしくないので、こういう場でお話をさせていただいていますが、検診は皆さん一人一人に与えられた武器です。自分を守るための大切な武器なので、行動に移して、検診を受けていただきたいと思います。

司会者:河村さんや小磯さんのお話を伺って、谷さんいかがでしたか?

谷さん:病気の話を聞くと怖いと思ってしまいますが、そうならないためにも、自分が責任を持って検診に行くことがどれだけ重要かということを、しみじみと感じました…。若いから今は要らないという発想は捨てて、20歳から検診に行ったほうがいいと思うし、友達や家族で一緒に話せる環境があるといいとすごく思いました。私も妹やお母さん、周りの友達にも話したいと思ったので、お二人の体験談はとても良いきっかけになりました。ありがとうございます。

小田先生:つらい経験をされながらも、何かをきっかけにそれをプラスに転じさせて立ち上がれるんだということを強く感じました。がんを早くに見つけられれば、失うものも少なくて済むし、子宮も残しておくことができる、治療で治すことができるということを、ぜひ覚えておいてくださいね。皆さんは若いから、健康は当たり前だし、病気はもっと先のことだと思っていると思うんですけれども、子宮頸がんに関しては、決して年配の人の病気ではないんです。20代、30代の方の病気なので、ぜひ検診を受けて予防してください!

プログラム3 『今』からできる!ファッション・コスメテクを紹介! プログラム3 『今』からできる!ファッション・コスメテクを紹介!

2018年度に東京都子宮頸がん検診応援ガールズを務め、
モデル・タレントとして活躍中の
谷まりあさんから、
美容と健康のために取り組んでいることを紹介していただきました。

谷まりあさん 谷まりあさん

司会者:検診以外で、ご自身の健康のために日頃から行っていることはありますか?

谷さん:はい、週に2回、キックボクシングに行っています!楽しいですし、ストレス発散にもなるんです。キックボクシングに行く時間がないときは、20分歩くとか。学生の頃より歩く時間が減ってしまっているので、積極的に運動をしています。

司会者:やはり、運動が大事なんですね!お食事はどのようなことに気を付けていますか?

谷さん:3食しっかり食べて、ちゃんと運動をして、体に負担が掛からないようにダイエットをしています。健康的な食事をしっかり取ることで、一番痩せやすい体になるんです!他には油ものを少なくするとか…。外食を毎日続けないようにすることは心掛けていますね。

司会者:美しさを保つために、日頃から行っている美容法はありますか?

谷さん:ちゃんとメイクを落としてから寝るのが一番!その後、化粧水、乳液をつけて寝るというのが、一番肌に良いんじゃないかなあ…。あとは運動したり、湯船に浸かったりして汗をかいて、老廃物を出した後に、水をたくさん飲むのも大事ですね!

司会者:運動も食事も美容も基本が一番なんですね!ファッションやメイクでは、どんなことに気を遣っていますか?

谷さん:私はモデルの中では身長が低いのですが、それでもバランス良く見えるように、ベルトをしてウエストラインを出すとか、メリハリを付けるようにしています。あとは、自分の肌に合う色を見つけるのも楽しいですよ!

司会者:学生の皆さんに、改めてアドバイスを一言お願いします。

谷さん:自分のために、今日はお菓子をやめてみようかとか、自分が毎日楽しくいられるように、好きな洋服を着てみようとか。常に自分を楽しんで自分を好きになることが一番だと思います!