線維筋痛症について
線維筋痛症とは
原因不明の全身疼痛、不眠、うつ病などの精神神経症状、過敏性大腸炎、膀胱炎などの症状を主症状とする病気である。長期間にわたる激しい痛みのためQOLが著しく低下し、社会的に大きな問題を招いている。
厚生労働科学研究班の調査では、全国では人口の1.7~2.1%に本症が存在し、推定では200万人以上の患者がおり、その80%を女性が占めていることがわかってきた。
診断と治療について
アメリカリウマチ学会(ACR)の線維筋痛症 分類基準(1990年)が広く国際的に分類(診断)基準として用いられているのが現状である。
また、2009年に厚生労働科学研究(免疫アレルギー疾患予防治療研究)より「線維筋痛症診療ガイドライン2009」が公表され、その後2017年版が日本線維筋痛症学会と日本医療研究開発機構(AMED)(慢性の痛み解明研究事業)から発行されている。
線維筋痛症の多彩な症状を多くの患者の病態に基づいて3つのクラスター群に分類し、それらのクラスターの治療方針を提唱している。
その他
保険診療の問題点
線維筋痛症の保険診療に関しては、2009年3月26日に行われた厚生労働委員会議事録にあるように本症の鑑別や特に本症に伴うさまざまな随伴症状に対して有効であると承認された薬剤を用いることによって結果的に線維筋痛症による症状が改善するという効果のある薬剤を用いることについて保険診療の範囲でカバーしていた。
2012年6月にプレガバリン、2015年5月にデュロキセチン塩酸塩が保険適応となった。
参考
- 厚生労働省「難病・慢性の痛み関連情報」
- 「線維筋痛症診療ガイドライン2009」
- 厚生労働科学研究(免疫アレルギー疾患予防治療研究)「線維筋痛症の発症要因の解明及び治療システムの確立と評価に関する研究」
お問い合わせ
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